
はじめに
日本における総人口に占める65歳以上の割合は27.7%であり,超高齢社会にある.加えて,老視発現のめやすを40歳とすれば,人口に占めるその割合は約6割であり,老視改善のニーズは高い.さらには世界においても先進諸国,開発途上国ともに高齢化率は増加し,全体では2015年の8.3%から2060年には17.8%に上昇すると予測されている.
そのような中,老視矯正法の向上と確立は課題であり,多くの医療関係者や企業などが,その解決に向けて挑戦している.老視の矯正法にはさまざまなものがあるが,遠近コンタクトレンズ(CL)が注目されている.その背景として,CLを積極的に使用している世代が老視になり,そのニーズが高まっていることがある.しかし,各社各様の光学デザインのレンズが登場していることから,その光学的特徴を把握する必要が出てきた.そこで本稿では,老視矯正法のCLとその光学的特徴について述べる.