
はじめに
2002 年にKorb らは、瞬目時に眼球表面と摩擦を生じる上眼瞼結膜の後縁から瞼板下溝前方に及ぶ眼瞼結膜部を、lid wiper(図1)、この部の上皮障害をlid wiperepitheliopathy(LWE)(図2)と命名した1)。その後、Shiraishi らは、上眼瞼に比べて下眼瞼のほうがLWE の頻度が高いことを示し2)、 現在、LWE は上下のlidwiper の障害として認知されるようになってきている。そこで、本稿では、LWE の要点について、ソフトコンタクトレンズ(soft contact lens:SCL)との関係に触れながらまとめてみたい。